本問は,99I22~24の連問の一部です。
56歳の男性。会議中に突然めまいと吐き気とが出現したため救急車で搬送された。
現 病 歴:半年前から会社の仕事が忙しく睡眠不足が重なり,過労気味であった。今朝,起床した時はいつもと変わらなかったが,14時ころ会社の会議室で立って発言中に突然,周りがぐるぐる回るめまいと吐き気とが出現し,立っていられなくなった。すぐ,同僚にかかえられて横になったが,めまいと吐き気とが持続した。
既往歴・家族歴:40歳ころから高血圧と糖尿病とを指摘され,食事療法を続けている。父親に高血圧と脳梗塞との既往がある。
現 症:意識は清明。身長168cm,体重82kg。体温36.0℃。呼吸数20/分。脈拍90/分,整。血圧170/110mmHg。貧血と黄疸とはない。心雑音はない。胸部にラ音を聴取しない。腹部は平坦で,肝・脾を触知せず,圧痛と抵抗とを認めない。下肢に浮腫を認めない。神経学的診察では,左顔面と頸部から下の右半身とに温痛覚低下,左上下肢の小脳性運動失調,構音障害,嚥下障害および回転性眼振を認める。運動麻痺,難聴,触覚・深部感覚障害,深部(腱)反射の異常,病的反射および膀胱直腸障害は認めない。
検査所見:血液所見:赤血球470万,Hb 12.8g/dL,白血球6,500,血小板25万。血清生化学所見:総タンパク6.8g/dL,アルブミン4.6g/dL,尿素窒素16mg/dL,クレアチニン1.0mg/dL,総コレステロール280mg/dL,トリグリセリド190mg/dL,AST 28U/L,ALT 22U/L,Na 140mEq/L,K 4.2mEq/L,Cl 104mEq/L。CRP 0.1mg/dL。15時に行った頭部単純CTでは異常を認めない。
聴性脳幹反応〈ABR〉の波形図(①~⑤)を示す。
この患者の波形はどれか。