問題番号 : 99I14

本問は,99I13~15の連問の一部です。

62歳の男性。今朝,突然,吐血をしたため来院した。
現 病 歴:15年前に近医で肝障害を指摘されたが,放置していた。
既 往 歴:特記すべきことはない。輸血歴なし。機会飲酒のみ。
現  症:意識は清明。身長168cm,体重67kg。体温36.2℃。脈拍72/分,整。血圧128/62mmHg。眼瞼結膜に貧血はなく,眼球結膜に黄染を認めない。腹部は平坦,軟で,肝を正中に4cm触知する。脾は触知しない。
検査所見:血液所見:赤血球392万,Hb 12.2g/dL,Ht 38%,白血球3,100,血小板7万,プロトロンビン時間62%(基準80~120)。血清生化学所見:総タンパク6.8g/dL,アルブミン3.3g/dL,総コレステロール173mg/dL,総ビリルビン1.8mg/dL,AST 45U/L,ALT 25U/L,LDH 288U/L(基準176~353),ALP 245U/L(基準260以下),γ-GTP 45U/L(基準8~50)。免疫学所見:HBs抗原陰性,HCV抗体陽性,抗核抗体陰性,抗ミトコンドリア抗体陰性,α-フェトプロテイン2,800ng/mL(基準20以下)。ICG試験(15分値)32%(基準10以下)。静脈路を確保したうえで行った食道内視鏡写真(A)を別に示す。
この疾患の症候でないのはどれか。

正解
a
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る