問題番号 : 99I7

本問は,99I7~9の連問の一部です。

2歳3か月の男児。発熱,意識障害およびけいれんを主訴に救急車で搬送された。
現 病 歴:3日前から発熱,不機嫌および食思不振を認めた。昨日夕方から本日にかけて頻回に嘔吐があった。次第に意識が低下し,母親の呼びかけに対してやっと開眼する程度であったが,本日昼からけいれんが頻発し,刺激に反応しなくなった。
出生・発達歴:在胎40週,出生体重3,200g。首のすわりは3か月。寝返りは6か月。坐位は7か月。つかまり立ちは9か月,歩行は13か月。
既 往 歴:生後7か月のとき,発熱と同時に強直性けいれんを認めた。けいれんの持続は2分で,自然に止まった。脳波検査を受けたが異常は指摘されず,治療も受けていない。
現  症:身長86cm,体重12.5kg。体温39.2℃。呼吸数30/分。脈拍128/分,整。血圧106/68mmHg。顔つきは無表情。けいれんは認めない。外表奇形は認めない。皮膚は湿潤しており,皮疹を認めない。大泉門は閉鎖。眼瞼結膜に貧血はなく,眼球結膜に黄疸を認めない。仰臥位で頭部を持ち上げると抵抗がある。咽頭は軽度発赤。表在リンパ節は触知しない。呼吸音は正常である。不整脈と心雑音とは認めない。腹部は平坦,軟で,腫瘤は触知しない。
検査所見:血液所見:赤血球420万,Hb 11.8g/dL,Ht 39%,白血球24,000(好中球72%,好酸球1%,単球6%,リンパ球21%),血小板18万。血清生化学所見:総タンパク7.1g/dL,アルブミン4.6g/dL,尿素窒素12mg/dL,クレアチニン0.6mg/dL,アンモニア28μg/dL(基準18~48),AST 28U/L,ALT 12U/L,LDH 365U/L(基準176~353),ALP 120U/L(基準260以下),Na 134mEq/L,K 4.2mEq/L,Cl 98mEq/L。CRP 12.6mg/dL。
まず行う検査はどれか。2つ選べ

正解
a, d
国試正答率
90%

Assessment
仰臥位で頭部を持ち上げると抵抗があることから,項部硬直を

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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