問題番号 : 99G58

27歳の女性。持続する咳を主訴に工場の健康管理室を受診した。患者は研究開発部門に勤務しており,外国から来日した研修生に対し,暗室で電子顕微鏡の操作を2か月前まで指導していた。この研修生は咳と微熱による体調不良で欠勤がちになり,6か月の研修期間の半分を残して帰国してしまった。その後患者自身も咳と倦怠感とを感じるようになり,夕方には37.2℃ の微熱もあることに気付いた。身長160cm,体重42kg。呼吸数24/分。脈拍84/分,整。胸部聴診では異常所見はない。尿所見:タンパク(-),糖(-)。血液所見:赤沈42mm/1時間,赤血球430万,白血球8,800,血小板30万。血清生化学所見:総タンパク6.4g/dL,尿素窒素16mg/dL,クレアチニン1.0mg/dL,AST 28U/L,ALT 32U/L,Na 144mEq/L,K 3.7mEq/L,Cl 100mEq/L。免疫学所見:ツベルクリン反応14×12/28×25,CRP 2.0mg/dL。喀痰塗抹検査で1視野に数個の抗酸菌を認める。胸部エックス線写真で左上肺野に径2cmの辺縁不鮮明な陰影を認める。
医師の対応として適切でないのはどれか。

正解
c
国試正答率
90%

Assessment
肺結核が疑われる研修生と濃厚接触後に持続する咳で受診して

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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