問題番号 : 99G57

6か月の乳児。激しい咳を主訴に来院した。保育所に通っている。2週前から咳が徐々に強くなってきた。今朝早く,激しく咳き込んだ後,笛がなるような音がした。声が少し嗄れている。呼吸数32/分。心拍数120/分。両眼瞼はやや浮腫状。心雑音を聴取しない。肺野にラ音を認めない。腹部は平坦で,肝を右肋骨弓下に2cm触知する。脾は触知しない。咽頭は軽度発赤しており,舌圧子を入れると咳き込む。血液所見:赤血球420万,Hb 12.5g/dL,Ht 38%,白血球20,000(桿状核好中球5%,分葉核好中球20%,単球2%,リンパ球73%)。
この疾患について正しいのはどれか。2つ選べ

正解
b, c
国試正答率
90%

Assessment
激しい咳と吸気性笛声,リンパ球上昇が認められ,典型的な百

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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