問題番号 : 99G42

55歳の男性。歩道を歩行中に突然右上下肢に脱力が生じ,思うように言葉がしゃべれなくなったため,救急車で搬送された。10年前から会社の健診で高血圧症,脂質異常症および心房細動を指摘されていたが,特に薬物治療を受けていなかった。来院時の意識はJCSでⅡ-10。身長160cm,体重76kg。体温36.8℃,呼吸数18/分。脈拍96/分,不整。血圧180/100mmHg。皮膚色は正常。貧血と黄疸とはない。胸部でラ音を聴取しない。腹部は平坦で,肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。右片麻痺と失語とを認める。頭部単純CTで左被殻部に径2cmの高吸収域を認めたため,緊急入院した。血液所見:赤血球460万,Hb 12.0g/dL,白血球6,200,血小板23万。血清生化学所見:総タンパク6.5g/dL,アルブミン4.4g/dL,尿素窒素18mg/dL,クレアチニン0.9mg/dL,総コレステロール290mg/dL,トリグリセリド180mg/dL,AST 26U/L,ALT 20U/L,Na 139mEq/L,K 4.1mEq/L。入院から3日間,絶食と安静とを保ち経過を観察した。意識は清明になった。右片麻痺と失語症との程度は入院時に比べて変化していない。第2,3病日の血圧は130~140/80~90mmHgで安定している。
この時点での治療として最も適切なのはどれか。

正解
e
国試正答率
60%

Assessment
①右上下肢麻痺
②Broca失語:思うように言葉がしゃべ

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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