問題番号 : 99G32

10歳の女児。顔面蒼白と息切れを主訴に来院した。4か月前から顔色が悪いことを指摘されており,運動時に息切れをすることを自覚していた。成長・発達に異常はみられない。体温37.1℃。呼吸数30/分。脈拍92/分,整。皮膚は蒼白い。前胸部と下肢に点状出血を認める。呼吸音は正常であるが,胸骨左縁に2/6度の収縮期雑音を聴取する。腹部は平坦,軟で,肝脾を触れない。眼瞼結膜は貧血様,眼球結膜は黄染を認めない。尿所見:蛋白(-),糖(-),潜血(-)。血液所見:赤血球215万,Hb 6.5g/dL,Ht 20%,白血球2100(好中球30%),血小板2.6万。血清生化学所見:総蛋白6.1g/dL,アルブミン3.2g/dL。クレアチニン0.6mg/dL,尿酸3.2mg/dL,総ビリルビン0.6mg/dL。AST 14単位,ALT 16単位,LDH 265単位(基準176~353)。CRP 0.9mg/dL。骨髄生検May-Giemsa染色標本を示す。
最も考えられるのはどれか。

正解
a
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。
脂肪が多く,造血細胞がほとんどみられない無形成骨髄であ

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る