問題番号 : 99F50

60歳くらいの男性。山林横の道路で意識を消失し,呼吸困難の状態で発見され救急車で搬入された。呼びかけに応答しない。顔面苦悶状。上半身に蕁麻疹と後頸部に径3cmの発赤腫脹とがある。結膜は充血している。対光反射はある。呼吸数28/分,不整。脈拍128/分,整。血圧70/40mmHg。胸部全体にwheezesを聴取する。喉頭浮腫を認める。血液所見:赤血球450万,Hb 15.5g/dL,白血球9,000。血清生化学所見:総タンパク6.2g/dL,尿素窒素18mg/dL,クレアチニン1.1mg/dL,総ビリルビン0.8mg/dL,AST 38U/L,ALT 33U/L,ChE 600単位(基準400~800),アミラーゼ100U/L(基準37~160),CK 20U/L(基準10~40),Na 140mEq/L,K 3.6mEq/L,Cl 100mEq/L。動脈血ガス分析(自発呼吸,酸素5L/分投与下):pH 7.30,PaO2 96Torr,PaCO2 48Torr,HCO323mEq/L。心電図には洞性頻脈の他に異常なく,胸部エックス線写真にも異常を認めない。
治療薬で適切でないのはどれか。

正解
d
国試正答率
90%

Assessment
蕁麻疹,皮膚の発赤と腫脹,結膜の充血よりアレルギー反応を

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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