問題番号 : 99F33

82歳の女性。咳,痰および呼吸困難のため来院した。3年前から咳と痰とが持続し,特に冬に多くなり,時に労作時の呼吸困難があった。喫煙歴は20歳から1日10本。意識は清明。身長150cm,体重48kg。呼吸数24/分。脈拍52/分,整。血圧148/74mmHg。血液所見:赤血球390万,Hb 12.3g/dL,Ht 35%,白血球6,000,血小板27万。スパイロメトリ:% VC 88%,FEV1.0% 58%。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.36,PaO2 78Torr,PaCO2 43Torr,HCO3 24mEq/L。
この患者の病態に最も関連する異常所見はどれか。

正解
c
国試正答率
90%

Assessment
3年前からの咳と痰の持続,労作時呼吸困難,喫煙歴があり,

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る