問題番号 : 99F6

57歳の男性。近医で胸部異常陰影を指摘され,下記の紹介状を持って来院した。「3年前から糖尿病の治療中ですが,10日前から咳と痰,37℃ 前後の微熱および倦怠感が出現して持続するため,1週前に当院を受診しました。細菌性気管支炎と診断して経口抗菌薬を5日間投与しましたが改善せず,痰の絡まる咳が増強するため胸部エックス線撮影と胸部CTとを施行したところ,左上肺野に異常陰影を認めましたので精査をお願い申し上げます。昨日の検査成績は以下のとおりです。尿所見:タンパク(±),糖2+。血液所見:赤沈73mm/1時間,赤血球423万,Hb 12.3g/dL,白血球5,800,血小板16万。血清生化学所見:血糖183mg/dL,HbA1c 7.7%(基準4.6~6.2),総タンパク6.6g/dL,アルブミン3.2g/dL,尿素窒素18mg/dL,クレアチニン1.0mg/dL。CRP 8.6mg/dL。喀痰のGram染色標本では有意の細菌を認めませんでした。胸部単純CTを添付しました。」
この患者の外来診察において適切なのはどれか。2つ選べ

正解
b, c
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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