問題番号 : 99C48

本問は,99C47~48の連問の一部です。

54歳の男性。冷汗を伴う胸痛を訴え,救急車で搬送された。
現病歴:5か月前から労作時に胸痛を自覚していた。胸痛は5分間持続し,安静で消失した。2週前から頻度が増し,安静時にも出現するようになった。4時間前から冷汗を伴う胸痛が持続している。
既往歴:10年前から脂質異常症〈高脂血症〉を指摘されていた。
家族歴:兄が40歳で突然死。
生活歴:たばこ40本/日を30年間。機会飲酒。
現 症:意識は清明。身長166 cm,体重75 kg。呼吸数18/分。脈拍96/分,整。血圧120/74 mmHg。顔貌は苦悶様。心音ではⅢ音を聴取する。呼吸音は正常。腹部は平坦で,軟。下腿に浮腫を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-),糖(-)。血液所見:赤血球450万,Hb 14.6 g/dL,Ht 46%,白血球12,800,血小板16万。血清生化学所見:総蛋白6.8 g/dL,アルブミン3.4 g/dL,クレアチニン0.8 mg/dL,総コレステロール260 mg/dL,総ビリルビン0.9 mg/dL,AST 250 IU/L,ALT 35 IU/L,LDH 350 IU/L(基準176〜353),CK 1,850 IU/L(基準10〜40),Na 138 mEq/L,K 3.6 mEq/L,Cl 99 mEq/L。CRP 1.6 mg/dL。来院時の心電図をAに示す。
入院後突然,眼球が上転して意識がなくなり,脈を触れなくなった。このときのモニター心電図をBに示す。
まず行う処置はどれか。

正解
b
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。
画像を上に示す。

Assessment<

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