問題番号 : 99C33

本問は,99C33~34の連問の一部です。

52歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。
現 病 歴:半年前から夕方になると足背部が腫れることに気付いた。下肢のむくみは次第に増強して大腿にも広がり,体重が10kg増加した。5日前から睡眠中に胸苦しくなり目覚めるようになった。坐っていると呼吸が少し楽になる。
既 往 歴:35歳で生命保険加入時に尿糖を指摘された。
現  症:意識は清明。身長166cm,体重78kg。体温36.5℃。呼吸数24/分。脈拍112/分,整。血圧168/90mmHg。心雑音はなく,両肺野にcoarse cracklesを聴取する。腹部は軽度膨隆し,肝を右肋骨弓下に3cm触知する。両下肢に著明な浮腫を認める。膝蓋腱反射は両側とも減弱している。
検査所見:尿所見:タンパク3+,糖1+,ケトン体(-),潜血(-),沈渣に赤血球2~3/1視野,白血球2~3/1視野。血液所見:赤血球311万,Hb 9.4g/dL,Ht 30%,白血球5,000,血小板22万。血清生化学所見:血糖182mg/dL,総タンパク4.8g/dL,アルブミン2.0g/dL,尿素窒素32mg/dL,クレアチニン2.8mg/dL,AST 36U/L,ALT 24U/L,LDH 350U/L(基準176~353),Na 130mEq/L,K 5.0mEq/L,Cl 102mEq/L。
まず行う検査はどれか。

正解
e
国試正答率
90%

Assessment
夜間呼吸困難,起坐呼吸,coarse crackles聴

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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