問題番号 : 99C15

60歳の女性。右大腿骨頸部骨折のため入院して手術を受けた。手術前は血圧122/78mmHgで,心電図と胸部エックス線写真とに異常はなかった。術後7日間臥床していたが,リハビリテーションのために歩行訓練を始めたところ,訓練の途中で,突然息苦しくなり,気分が悪くなってうずくまった。呼吸数36/分。脈拍128/分,整。血圧80/42mmHg。顔色は不良で発汗がある。胸部にⅡ音の亢進を認めるがラ音は聴取しない。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):PaO2 48Torr,PaCO2 26Torr。マスクによる酸素吸入を行い,静脈路を確保した。
まず投与するのはどれか。

正解
a
国試正答率
60%

Assessment
術後7日間臥床後の歩行訓練時に,突然の呼吸困難を生じてい

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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