問題番号 : 99A57

50歳の女性。廊下に立ってボーッとしている状態を家族に発見され,まとまりのない言動がみられるようになったため,救急車で搬送された。1週前からかぜ症状と軽度の頭痛とを訴えていた。近医で感冒と診断され解熱鎮痛薬を処方されたが,症状の改善なく,昨夜から激しい頭痛が生じ,数回嘔吐した。意識はJCSでⅡ-30。身長160cm,体重58kg。体温39.8℃。呼吸数24/分。脈拍104/分,整。血圧160/90mmHg。頸部のリンパ節腫脹はない。胸部に心雑音はなく,ラ音を聴取しない。腹部は平坦で,肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。眼底にうっ血乳頭はなく,瞳孔は正円同大,対光反射は両側正常で,眼球頭反射は正常である。明らかな筋力低下はなく,不随意運動も認めない。痛み刺激に対する反応に左右差はない。深部(腱)反射は正常で病的反射を認めない。項部硬直があり,Kernig徴候陽性である。血液所見:赤血球425万,Hb 13.1g/dL,Ht 40%,白血球12,000(好中球67%,単球6%,リンパ球27%),血小板16万。血清生化学所見:AST 35U/L,ALT 44U/L。CRP 27.0mg/dL。脳脊髄液所見:初圧250mmH2O(基準70~170),細胞数980/μL(基準0~2)(多形核球970,単核球10),タンパク403mg/dL(基準15~45),糖4mg/dL(基準50~75)。
脳脊髄液検査で次に行うのはどれか。2つ選べ

正解
a, e
国試正答率
60%

Assessment
①髄膜刺激症状・徴候:頭痛,嘔吐,項部硬直,Kernig

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る