問題番号 : 99A51

25歳の女性。反復する嘔吐と著しい体重減少とを主訴に来院した。重症妊娠悪阻の診断で緊急入院となった。絶食とし,糖質と電解質との輸液によって悪阻は軽減した。入院後3週目ころから急に,歩行がふらつき,物が二重に見えるようになり,会話内容も支離滅裂になった。意識は軽度混濁,見当識障害を認める。身長156cm,体重39kg。体温36.5℃。呼吸数18/分。脈拍88/分,整。血圧120/70mmHg。皮膚色は正常。貧血と黄疸とを認めない。胸部にラ音を聴取しない。腹部は平坦で,肝・脾を触知しない。下腿に浮腫はない。眼振,眼球運動制限および歩行失調を認める。四肢麻痺,けいれん及び項部硬直はない。
最も考えられるのはどれか。

正解
d
国試正答率
90%

Assessment
重症妊娠悪阻で入院中に意識障害,眼球運動障害,失調が出現

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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