問題番号 : 99A50

53歳の女性。1週前からの目のかすみを主訴に来院した。20年前に健康診断で糖尿病を指摘され,15年前から経口血糖降下薬で治療されている。1年前から全身倦怠感があり,1か月前から階段昇降時に息切れがある。意識は清明。身長158cm,体重52kg。脈拍88/分,整。血圧162/102mmHg。眼瞼結膜は蒼白であるが,眼球結膜に黄染は認めない。下腿に浮腫を認める。尿所見:タンパク2+,糖1+,ケトン体(-),潜血(-)。血液所見:赤血球240万,Hb 8.0g/dL,Ht 25%,白血球7,200,血小板18万。血清生化学所見:空腹時血糖220mg/dL,HbA1c 8.9%(基準4.6~6.2),総タンパク5.8g/dL,アルブミン2.5g/dL,尿素窒素52mg/dL,クレアチニン5.6mg/dL,総コレステロール280mg/dL,トリグリセリド230mg/dL,AST 32U/L,ALT 24U/L,ALP 420U/L(基準260以下),アミラーゼ220U/L(基準37~160),Na 138mEq/L,K 4.9mEq/L,Cl 105mEq/L,Ca 7.5mg/dL,P 7.2mg/dL。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.32,PaO2 80Torr,PaCO2 24Torr,HCO3 14mEq/L。
治療方針で正しいのはどれか。

正解
e
国試正答率
90%

Assessment
20年前に糖尿病を指摘されている。尿タンパク陽性でアルブ

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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