問題番号 : 99A43

75歳の女性。自宅で昼食の準備中,突然ボーッとし,左口角からよだれを垂らし左半身に力が入らず立っていられなくなったため,救急車で搬送された。意識は清明。身長156cm,体重62kg。体温36.2℃。呼吸数18/分。脈拍104/分,不整。血圧180/100mmHg。皮膚色は正常で,貧血と黄疸とはない。胸部にラ音を聴取しない。腹部は平坦で,肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。顔面を含む左片麻痺,左半側空間失認および病態失認を認める。血液所見:赤血球450万,Hb 12.2g/dL,白血球6,000,血小板21万。血清生化学所見:総タンパク6.2g/dL,アルブミン4.2g/dL,尿素窒素16mg/dL,クレアチニン0.8mg/dL,総コレステロール160mg/dL,トリグリセリド100mg/dL,AST 25U/L,ALT 21U/L,Na 138mEq/L,K 4.0mEq/L。心電図で心房細動を認める。頭部単純CTで明らかな異常を認めない。
最も考えられるのはどれか。

正解
d
国試正答率
90%

Assessment
①顔面を含む左片麻痺
②左半側空間無視,病態失認
①は右

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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