問題番号 : 99A23

67歳の男性。今朝,胸背部痛が突然出現したため救急車で搬送された。5年前から高血圧を指摘され治療を受けていた。身長168cm,体重76kg。呼吸数20/分。脈拍96/分,整。血圧は右上肢186/68mmHg,左上肢94/50mmHg。顔貌は苦悶様。胸部では,Ⅲ音と第3肋間胸骨左縁に最強点を有する拡張期雑音とを聴取する。呼吸音は正常。腹部は平坦,軟。下腿に浮腫を認めない。血液所見:赤血球375万,Hb 10.6g/dL,Ht 34%,白血球12,800,血小板10万。血清生化学所見:AST 38U/L,ALT 35U/L,LDH 648U/L(基準176~353),CK 78U/L(基準10~40)。CRP 8.5mg/dL。心電図(A)と胸部造影CT(B)を示す。
行うべき治療はどれか。2つ選べ

正解
c, d
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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