問題番号 : 98F43

本問は,98F43~44の連問の一部です。

75歳の女性。胸痛を主訴に来院した。
現病歴:5時間前から胸部圧迫感を自覚し,次第に増悪するため受診した。
既往歴:50歳代から高血圧と高コレステロール血症とで加療中である。72歳時に脳出血の既往があり,左半身に軽い麻痺が残っている。
現 症:意識清明だが苦悶様。身長158cm,体重62kg。脈拍76/分,整。血圧110/72mmHg。胸部聴診で心雑音はなく,呼吸音の異常は認めない。腹部は平坦,軟。四肢は冷たい。
検査所見:血液所見:赤血球380万,Hb 12.5g/dL,白血球9,800,血小板16万。血清生化学所見:尿素窒素20mg/dL,クレアチニン0.9mg/dL,AST 34単位(基準40以下),ALT 36単位(基準35以下),LDH 320単位(基準176〜353),CK 122単位(基準10〜40)。来院時の12誘導心電図(A)を示す。
最も重要な検査はどれか。

正解
d
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。
異常Qはまだ出現していない。Ⅰ,aVL

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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