問題番号 : 98D59

60歳の男性。喀血を主訴に来院した。6か月前から,軽度の咳と喀痰とが出現し,徐々に増悪傾向にあった。1,2か月前からは微熱,盗汗および全身倦怠感が出現した。2,3日前から咳とともに少量の血痰があった。今朝,約50ccの喀血を認めた。23歳ころ,肺結核で1年間治療を受けた。55歳ころに尿糖を指摘されたが放置していた。意識は清明。身長172cm,体重42kg。体温37.2℃。呼吸数24/分。脈拍88/分,整。血圧132/88mmHg。チアノーゼは認めない。胸部聴診では,右上肺で呼吸音の気管支呼吸音化が認められ,同部にcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。尿所見:タンパク(-),糖(+)。血液所見:赤沈35mm/1時間。赤血球450万,Hb 13.4g/dL,Ht 42%,白血球8,900。血清生化学所見:空腹時血糖155mg/dL,総タンパク6.2g/dL。CRP 1.5mg/dL。胸部単純CTを示す。
考えられるのはどれか。2つ選べ

正解
b, c
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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