問題番号 : 98D53

65歳の男性。手指の蒼白化と階段昇降時の息切れとを主訴に来院した。5年前の冬から寒冷時に手指が蒼白になり,紫色に変色することに気付いている。1か月前から指先の皮膚に潰瘍が出現した。また,手指と顔面とのむくみと胸やけとを自覚している。脈拍72/分,整。血圧120/74mmHg。両側上下肢の末梢から1/3までと顔面とに皮膚硬化を認める。指先に皮膚の陥凹を認める。聴診上,両下肺にfine crackles〈捻髪音〉を聴取する。尿所見:タンパク(-),潜血(-)。血液所見:赤血球420万,Hb 14.0g/dL,白血球6,500,血小板22万。血清生化学所見:総タンパク7.2g/dL,尿素窒素16mg/dL,クレアチニン1.0mg/dL。免疫学所見:CRP 0.1mg/dL,抗核抗体10,240倍(基準20以下),抗セントロメア抗体(+),抗Scl-70抗体(-)。
この患者で考えられるのはどれか。2つ選べ

正解
c, e
国試正答率
90%

Assessment
寒冷時の手指の蒼白,紫色に変色→Raynaud現象→AN

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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