44歳の男性。両手が不自由になったことを主訴に来院した。10年前から徐々に両手に力が入らなくなり,2,3年前から両手の筋肉がやせてきた。熱い風呂の湯加減を手でみようとするときや,誤って火のついた煙草を手に落としたときなど,手に火傷を負ったことがこれまで何回かあった。意識は清明,認知症はない。両上肢遠位部の筋萎縮と筋力低下,両上肢の深部反射消失,両下肢の深部反射亢進および両側のBabinski徴候陽性を認める。痛覚と温度覚とが著しく鈍麻している部位(A)を別に示す。視力・聴力障害,構音・嚥下障害,排尿障害および触覚・深部感覚の鈍麻を認めない。頸部MRIのT2強調正中矢状断像(B)と横断像(C)とを示す。
最も考えられるのはどれか。