問題番号 : 98D25

54歳の男性。倦怠感と息切れとを主訴に来院した。30歳代から十二指腸潰瘍を指摘され,酸分泌抑制薬による治療を間欠的に受けていた。他に異常は指摘されていない。2年前にヘリコバクター・ピロリ感染を指摘されたが,十二指腸潰瘍が瘢痕期であったため,特に治療はしなかった。数日前から倦怠感,易疲労感および労作時の息切れを自覚するようになった。昨日は黒色の固形便があり,今朝は大量の黒色下痢便を排出した。脈拍104/分,整。血圧108/74mmHg。眼瞼結膜は貧血様。心窩部に軽度の圧痛を認める。
この患者で予測される検査所見はどれか。2つ選べ

正解
a, c
国試正答率
90%

Assessment
本問では,既往歴から十二指腸潰瘍の出血が最も考えられる。

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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