問題番号 : 98D22
26歳の男性。強い呼吸困難を主訴に入院した。中学生のころから呼吸困難のため入退院を繰り返しており,薬物治療を受けている。身長168cm,体重58kg。脈拍84/分,整。血圧90/58mmHg。心尖部に最強点を有する3/6度の汎収縮期雑音を聴取する。心カテーテル検査での酸素飽和度は右房56%,肺動脈56%,大腿動脈94%。左室拡張容積は正常の270%,左室駆出率15%。心電図(A),胸部エックス線写真(B)および心エコー図(C)を示す。適切な治療法はどれか。
画像診断:上画像参照。Assessment:
無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。