問題番号 : 98D20
59歳の男性。通勤時に駅の階段を昇っていたところ，意識を失い救急車で搬入された。2年前から労作時の息切れと胸部圧迫感とを自覚していた。5分位の安静で症状は消失するため放置していた。来院時，意識は清明。脈拍96/分，整。血圧100/64mmHg。胸骨右縁第2肋間に最強点を有する4/6度の駆出性収縮期雑音を聴取する。心エコー図（A）と心カテーテル検査所見（B）とを示す。適切な治療法はどれか。
画像診断：上画像参照。Assessment：
無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては，喉頭浮腫，気道異物，自然気胸，気管支喘息，慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患，心不全（急性，慢性の急性増悪），肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが，胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断：心不全（両心不全）（Nohria分類wet and warm） 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難，胸痛などにより安静が保てない場合には，血管拡張による前負荷軽減と，交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。
