問題番号 : 98D12

72歳の男性。発熱,嚥下痛および呼吸困難を訴えて入院した。数年前から糖尿病の治療中である。咽後膿瘍を認めたので,気管切開術後に膿瘍の切開排膿術を受けたが,呼吸困難が増悪してきた。人工呼吸器による呼吸管理と抗菌薬とによる治療にもかかわらず,呼吸状態の改善と解熱とがみられない。体温38.8℃。脈拍96/分,整。血圧146/90mmHg。動脈血ガス分析(FIO2 0.8):pH 7.32,PaO2 88Torr,PaCO2 46Torr,BE -5.6mEq/L。胸部エックス線写真背臥位像(A)と胸部単純CT(B)とを示す。
次に行うべき処置はどれか。

正解
d
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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