問題番号 : 98D11

46歳の男性。発熱と咳嗽とを主訴に来院した。2か月前から労作時息切れと咳嗽とが出現していた。3週間の海外出張にでかけ,帰国後すぐに発熱し,39℃ 台の発熱が3日間持続した。次第に咳嗽と呼吸困難とが増強した。10年以上頻回に海外出張に行っている。意識は清明。呼吸数30/分。脈拍112/分,整。血圧128/74mmHg。胸部聴診で異常を認めない。血液所見:赤血球460万,Hb 15.6g/dL,Ht 50%,白血球3,500。血清生化学所見:AST 36U/L,ALT 32U/L。CRP 8.6mg/dL,β-Dグルカン360pg/mL(基準20以下)。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.44,PaO2 60Torr,PaCO2 36Torr。入院時の胸部エックス線写真(A)と治療前の喀痰塗抹Grocott染色標本(B)とを別に示す。
考えられる病原体はどれか。

正解
e
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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