問題番号 : 98C17

本問は,98C16~17の連問の一部です。

75歳の女性。家族では介護しきれないために夫と妹が入院を希望し,拒否する本人を連れて来院した。
現 病 歴:裕福な家庭に育ち有名女学校を首席で卒業した。20歳で結婚し24歳で長男を出産。以後専業主婦として現在に至る。多趣味で俳句,書道をたしなみ,師範の免許も多い。夫と2人暮らし。長男は独立して家庭を持っている。2年前心臓疾患で2か月入院して帰宅した後から「もらい物が見当たらない」,「冷蔵庫の中身が変わっている」と夫を責めるようなことがあった。1年前には長男の嫁に対して財産を狙っていると責めるようになり,3か月前からは最も世話になって信頼していた妹にも「絵のコレクションを盗む」,「貯金通帳を隠した」と一方的に攻撃して警察に通報するようになり,親族と断絶してしまった。高齢の夫のみとの生活になったが,メモ帳を捨てたなどと夫にも攻撃が及ぶようになり,夫は介護不能と判断した。
現  症:上品な老婦人。診察室では攻撃性は一見みられない。身長150cm,体重48kg。脈拍84/分,整。血圧148/84mmHg。神経学的には深部反射が両下肢とも軽度亢進。左上肢で歯車様筋強剛を軽度に認める。本人拒否のまま入院としたが,入院時には頑強に抵抗し,「人権侵害です。訴えますよ」と大騒ぎした。
入院後経過:意に反して入院させられたことを厳しく追及するが,入院の必要についての説明に納得して機嫌よくしていることもあり,まったく相反する態度が交互に現れる。会話しているとしばらく前に話した内容がそっくりそのまま何度も出てきて,本人はそのことに気付いていない。病棟内で迷子になることはない。改訂長谷川式簡易知能評価スケールでは30点満点中25点である。入院10日目の頭部単純MRI(AB)を示す。
頭部単純MRIでみられる所見はどれか。2つ選べ

正解
b, c
国試正答率
60%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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