問題番号 : 98C13

本問は,98C13~15の連問の一部です。

2歳1か月の男児。発熱と発疹とを主訴に来院した。
発 達 歴:在胎40週で出生。出生時の身長49cm,体重3,050g。定頸3か月,独り歩きは1歳3か月。現在,牛乳をコップから飲むことができる。積木を3個重ねることができる。「あーあー」,「うーうー」を言うが,意味のある言葉は言わない。「ワンワンちょうだい。」と言うと犬の縫いぐるみを持ってくる。人見知りをする。
現 病 歴:2日前から38.5~39℃ の発熱と体幹部の紅斑とが出現し,近医で両眼と口唇との異常を指摘され紹介入院した。今朝から左頸部を触れると強く啼泣する。嘔吐はない。
現  症:意識は清明。身長83cm,体重18kg。体温38.8℃。脈拍120/分,整。左頸部に径3.5cmの腫瘤があり痛がって首を動かさない。皮膚は腹部から腰部にかけ大小さまざまな紅斑を認める。聴診では心雑音なく,呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。口腔粘膜はびまん性に発赤している。右眼の写真(A)と口唇の写真(B)とを別に示す。
検査所見:血液所見:赤沈45mm/1時間,赤血球410万,Hb 12.5g/dL,Ht 35%,白血球15,000(桿状核好中球7%,分葉核好中球56%,好酸球2%,好塩基球1%,単球5%,リンパ球29%),血小板30万。血清生化学所見:総タンパク7.3g/dL,アルブミン3.5g/dL,総ビリルビン0.4mg/dL,AST 55U/L,ALT 60U/L,LDH 550U/L(基準176~353)。免疫学所見:CRP 12.5mg/dL,ASO 250単位(基準250以下)。胸部エックス線写真と心電図とに異常を認めない。
この患児の成長発達の評価で正しいのはどれか。2つ選べ。

正解
b, e
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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