問題番号 : 98C9

本問は,98C7~9の連問の一部です。

65歳の女性。歩きにくさと手足のふるえとを訴えて来院した。
現 病 歴:4年前からじっとしているときに左手がふるえることに気付いた。同じころから歩くのが遅くなり,話すときの声が小声で,メモを書くときに字が小さくなることを自覚するようになった。これらの症状は徐々に増悪する傾向にあり,最近左手だけでなく,右手と両足もじっとしているときにふるえるようになった。患者の写真(A)を別に示す。
既往歴・家族歴:特記すべきことはない。
現  症:意識は清明。身長165cm,体重52kg。体温36.2℃。臥位で脈拍64/分,整。血圧120/80mmHg。顔面の表情は乏しい。眼瞼結膜と眼球結膜とに貧血と黄疸とを認めない。心雑音はない。呼吸音は清である。腹部は平坦で,肝・脾を触知せず,圧痛と抵抗とを認めない。構音障害,頸部と四肢との筋緊張異常および起立・歩行障害を認める。
検査所見:尿所見:タンパク(-),糖(-)。血液所見:赤血球410万,Hb 13.0g/dL,Ht 39%,白血球6,500,血小板25万。血清生化学所見:総タンパク6.9g/dL,アルブミン4.8g/dL,尿素窒素9.2mg/dL,クレアチニン0.9mg/dL,AST 18U/L,ALT 14U/L,LDH 260U/L(基準176~353)
左上腕二頭筋と左上腕三頭筋とから記録された5種の表面筋電図(B )を示す。
この患者の記録はどれか。

正解
b
国試正答率
30%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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