問題番号 : 98B22

33歳の女性。突然出現した前胸部の強い痛みと呼吸困難とのため緊急入院となった。3回の自然流産歴がある。1週前から左ふくらはぎの疼痛と腫脹とを認めていた。左下腿は腫脹し,足関節を屈曲するとふくらはぎに強い痛みを訴える。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.54,PaO2 60Torr,PaCO2 30Torr。抗核抗体陽性,抗カルジオリピンIgG抗体陽性。
この患者で考えられる検査所見はどれか。2つ選べ

正解
d, e
国試正答率
90%

Assessment
習慣性流産と下肢の血栓症を疑う所見,さらに,突然発症した

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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