問題番号 : 98B12

76歳の男性。呼吸困難を主訴に救急車で来院した。4日前に強い前胸部圧迫感が数時間持続した。今朝,急に呼吸困難が出現した。呼吸数26/分。脈拍116/分,整。血圧80/50mmHg。胸部で心尖部に最強点を有する汎収縮期雑音を聴取する。四肢末梢の冷感が著明である。Swan-Ganzカテーテル検査での肺動脈楔入圧〈PCWP〉を示す。
診断はどれか。

正解
c
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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