問題番号 : 98B9

75歳の男性。血痰を主訴に来院した。1か月前から時に血痰を自覚していたが次第に増強してきた。18歳ころ肺結核で人工気胸術を受けた。身長165cm,体重56kg。体温36.5℃。脈拍84/分,整。血圧104/72mmHg。胸部聴診では心雑音なく,右呼吸音を聴取しない。腹部で右肋骨弓下に肝を3cm触知する。尿所見:タンパク(-),糖(-),潜血(-)。血液所見:赤血球378万,Hb 12.8g/dL,白血球8,700,血小板17万。血清生化学所見:総タンパク5.6g/dL,アルブミン2.7g/dL,尿素窒素10.9mg/dL,クレアチニン0.6mg/dL,AST 32U/L,ALT 28U/L,LDH 222U/L(基準176~353),CRP 19.8mg/dL。胸部エックス線写真(A)と胸部単純CT(B)とを示す。
最も考えられるのはどれか。

正解
e
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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