問題番号 : 98A38

72歳の男性。悪心と意識障害とのために家族に伴われて来院した。6か月前に肺扁平上皮癌と診断され,化学療法を受けた。終了後,外来で観察されていた。2日前から尿量が多くなり,食欲不振と口渇とが出現した。昨日から悪心を伴うようになり,いつも眠っているようになった。意識はやや混濁し,呼びかけに対して容易に反応するが,時と場所に対する失見当識が認められる。脈拍104/分,整。血圧100/64mmHg。ばち指を認める。右下肺にcoarse cracklesを聴取する。心電図でQT時間の短縮を認める。
最も考えられる電解質異常はどれか。

正解
d
国試正答率
90%

Assessment
・72歳の男性
・主訴:悪心と意識障害
・既往歴:6か月

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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