問題番号 : 98A23

62歳の男性。昨夜突然強い背部痛が出現し,近医で鎮痛薬を投与されたが改善しないため救急車で来院した。強い背部痛を訴え顔貌は苦悶様。体温36.9℃。呼吸数20/分。脈拍104/分,整。血圧160/90mmHg。胸部の打聴診で異常所見を認めない。腹部は平坦で肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。血液所見:赤血球416万,Hb 12.0g/dL,Ht 35%,白血球9,600,血小板21万。血清生化学所見:総タンパク7.4g/dL,アルブミン3.8g/dL,クレアチニン0.9mg/dL。CRP 2.9mg/dL。心電図で左室肥大の所見を認める。胸部造影CT(AB)を示す。
この患者への対応で適切でないのはどれか。

正解
d
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。
大動脈弓遠位部で造影される部分とされない部分が存在する

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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