問題番号 : 97I45

57歳の男性。発熱と意識障害とのため救急車で搬入された。家族の説明によると,患者は通常の生活を送っていたが,1週前から急に高熱が出現し自宅で臥床していた。この間,ときどき意味不明の言動があった。今朝になり頭痛を訴え,歯肉出血が出現した。呼名には応じるが見当識障害がある。体温38.7℃。呼吸数24/分。脈拍108/分,整。血圧120/60mmHg。眼瞼結膜は貧血様で,眼球結膜に黄染を認める。四肢と体幹とに点状出血を認める。リンパ節腫脹はない。胸部に特記すべきことはなく,腹部に肝・脾を触知しない。項部硬直はないが腱反射は亢進し,下肢に病的反射を認める。血液所見:赤血球190万,Hb 6.5g/dL,Ht 20%,網赤血球90‰,白血球12,600,血小板1.2万。血清生化学所見:総タンパク7.0g/dL,アルブミン3.7g/dL,尿素窒素56mg/dL,クレアチニン2.3mg/dL,総ビリルビン3.7mg/dL,直接ビリルビン0.9mg/dL,AST 140U/L,ALT 45U/L,LDH 2,670U/L(基準176~353)。CRP 1.5mg/dL。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊画像No. 81)を別に示す。
この患者に対する処置で最も適切なのはどれか。

正解
d
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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