問題番号 : 97I29

58歳の女性。視野のぼやけを主訴に来院した。6か月前から全身倦怠感を自覚し,2か月前から鼻出血が数回あった。数日前から頭痛,眩暈および手足のしびれ感があり,今朝から主訴に気付いた。体温36.5℃。脈拍92/分,整。血圧110/64mmHg。表在リンパ節は全身性に径2~3cmに腫大しているが圧痛はない。両側下肺野にcoarse crackles〈水泡音〉を聴取する。肝を右肋骨弓下に3cm,脾を左肋骨弓下に5cm触知する。腱反射に左右差はない。血液所見:赤沈116mm/1時間,赤血球280万,Hb 9.2g/dL,Ht 30%,白血球27,300(桿状核好中球5%,分葉核好中球12%,好酸球1%,単球4%,リンパ球様細胞78%),血小板7万。血清生化学所見:総タンパク9.8g/dL,アルブミン3.8g/dL,IgA 520mg/dL(基準110~410),IgG 980mg/dL(基準960~1,960),IgM 4,500mg/dL(基準65~350),骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本を別に示す。
この患者でみられるのはどれか。

正解
e
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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