問題番号 : 97I25

72歳の女性。感冒様症状が出現し,早朝から傾眠がちとなり,意識レベルも低下したため,救急車で搬入された。20歳の時,肺結核のため胸郭形成術を受けた。5年前から慢性呼吸不全で在宅酸素療法を受けている。体温37.2℃。呼吸数10/分。脈拍100/分,整。血圧150/70mmHg。血清生化学所見:血糖160mg/dL,尿素窒素35mg/dL,AST 45U/L,ALT 37U/L,アンモニア50μg/dL(基準18~48)。動脈血ガス分析(自発呼吸,経鼻カニューラO2 1L/分):pH 7.27,PaO2 40Torr,PaCO2 90Torr。
最も適切な治療はどれか。

正解
a
国試正答率
90%

Assessment
PaO2 40Torr(低酸素血症

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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