本問は,97F49~50の連問の一部です。
51歳の男性。手指のふるえを主訴に来院した。
現 病 歴:3年前に肝機能異常を指摘され,1か月間の禁酒でAST,ALT,γ–GTPが著明に改善した。その2か月後から再度常用飲酒が始まり,最近,手のふるえ,食欲不振および不眠を認めるようになった。アルコールによる肝障害を自分で理解しつつも,周囲から指摘されるのを拒み,飲酒問題を語ろうとしない。
既 往 歴:特記すべきことはない。
現 症:身長170cm,体重68kg。脈拍72/分,整。血圧120/70mmHg。安静時に両手指の細かなふるえがみられる。腹部はやや膨隆し,肝を右肋骨弓下に4cm触知する。
検査所見:尿所見:タンパク(-),糖(-)。血液所見:赤血球450万,Hb 14.7g/dL,Ht 44%,白血球7,200,血小板12万。血清生化学所見:空腹時血糖110mg/dL,AST 130U/L,ALT 75U/L,γ–GTP 280U/L(基準8~50),コリンエステラーゼ410U/L(基準400~800)。
この患者の治療に関連のないのはどれか。