問題番号 : 97F18

72歳の女性。悪寒・戦慄を主訴として来院した。数日前から頻尿傾向にあったが,来院2日前から元気がなくなり食欲も低下していた。意識は清明。体温40.5℃。呼吸数21/分。脈拍104/分,整。血圧106/64 mmHg。尿所見:蛋白1+,糖(-),潜血1+,沈渣に赤血球2〜3/1視野,白血球多数/1視野,顆粒円柱(+)。血液所見:赤血球520万,Hb 15.9 g/dL,Ht 45%,白血球19,100(桿状核好中球14%,分葉核好中球62%,好酸球0.5%,好塩基球0.5%,単球4%,リンパ球19%)。血清生化学所見:尿素窒素18 mg/dL,クレアチニン0.9 mg/dL。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.48,PaO2 85.6 Torr,PaCO2 25.8 Torr,HCO3-19.0 mEq/L。
考えられる病態はどれか。

正解
e
国試正答率
90%

Assessment
医師としての基本的な判断力を試す良問である。病歴を整理す

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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