問題番号 : 97D44

76歳の男性。発熱と食欲不振とを主訴に搬入された。60歳ころから手足のふるえ,歩きにくさ,大きな声が出ない及び動作が遅くなるなどの症状が出現し,徐々に進行してきたため外出するのがおっくうになった。歩行障害は当初,薬物治療によって軽快していたが,近年薬効は乏しくなった。体温39.8℃。脈拍120/分,整。胸部にcoarse crackles〈水泡音〉を聴取した。意識は清明であったが,頸部と四肢との筋強剛,四肢の安静時振戦および無動を認め,歩行はできなかった。嚥下性肺炎〈誤嚥性肺炎〉と敗血症とのために第12病日に死亡した。剖検時の脳組織H-E染色標本を別に示す。
この患者の基礎疾患に用いられる薬物はどれか。2つ選べ

正解
a, b
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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