問題番号 : 97D17

74歳の男性。労作時の息切れを生じるようになり来院した。20年前に高血圧を指摘されたが治療は受けていない。下肺野にcoarse crackles〈水泡音〉,心尖部に心室性奔馬調律を聴取する。脈拍76/分,整。血圧162/92mmHg。心電図を別に示す。心臓カテーテル検査で左室拡張末期圧22mmHg(基準12以下),心係数3.2L/分/m2(基準2.3~3.6)。心血管造影で左室駆出率56%,冠動脈に狭窄病変はない。
適切な薬物はどれか。

正解
b
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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