問題番号 : 97C30

本問は,97C28~30の連問の一部です。

7歳の女児。意識障害のため救急車で搬入された。
現 病 歴:2か月前から夜間排尿に起きるようになり,その都度水を飲んでいた。2週前から,学校から帰ると疲れたと言って昼寝をするようになった。1週前から咽頭痛,耳下腺部痛および発熱を認め,近医で流行性耳下腺炎と診断された。入院前日から頭痛と発熱とを認め,食欲が低下した。体重が2か月前に比べて3kg減少した。入院当日の朝,頭痛を訴えて嘔吐した。その後,急速に意識状態が悪化し,呼名に反応しなくなった。
発 育 歴:在胎39週,正常分娩。身長49cm,体重3,000gで出生した。新生児期の黄疸は正常であった。成長・発達に異常はない。
家 族 歴:特記すべきことはない。
現  症:意識混濁があり,痛みにかろうじて反応する。身長119cm,体重22kg。体温38℃。胸腹部に異常はなく,肝・脾を触れない。項部硬直とKernig徴候とを認める。
検査所見:尿所見:タンパク1+,糖4+,ケトン体3+。血液所見:赤血球460万,Hb 14.6g/dL,Ht 40%,白血球11,000。血清生化学所見:血糖782mg/dL,尿素窒素35mg/dL,クレアチニン1.2mg/dL,Na 130mEq/L,K 4.0mEq/L,Cl 92mEq/L。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.00,HCO3 8mEq/L,BE -23mEq/L。
適切な初期治療はどれか。2つ選べ

正解
c, d
国試正答率
90%

Assessment
・7歳の女児,意識障害のため救急車で搬入
・2か月前から

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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