問題番号 : 97A58
72歳の男性。2か月前より咳,痰および微熱がみられたため来院した。ときに熱は39℃ 台となることもある。聴診上異常所見は認めない。意識は清明。体温37.8℃。脈拍92/分,整。血液所見:赤血球380万,白血球6,240。胸水所見:胸水/血清タンパク濃度比0.6,アデノシンデアミナーゼ〈ADA〉活性50単位(基準46以下)。セフェム系抗菌薬を投与されたが,症状は改善しなかった。胸部エックス線写真を示す。この症例について誤っているのはどれか。
画像診断:上画像参照。Assessment:
無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。