問題番号 : 97A54

52歳の女性。階段昇降時に息切れを自覚して来院した。5年前から寒冷時に手指の蒼白化を認め,次第に手指の腫脹と関節痛とが出現した。6か月前から息切れが続いている。顔面は浮腫状で,ソーセージ様指と指先に皮膚の陥凹とを認める。両前腕と下腿とに皮膚硬化を認める。両側下肺野にfine crackles〈捻髪音〉を聴取する。血液所見:赤沈80mm/1時間,赤血球413万,Hb 12.5g/dL,白血球6,200。血清生化学所見に異常はない。CRP陰性,抗核抗体1,280倍(基準40以下)。
この患者で予想されるのはどれか。

正解
b
国試正答率
90%

Assessment
ソーセージ様指からは混合性結合組織病〈MCTD〉と全身性

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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