問題番号 : 97A20

70歳の男性。持続する前胸部痛を主訴に来院した。同症状は昨夜から出現し,冷汗を伴うようになった。体温37.0℃。呼吸数22/分。脈拍96/分,整。血圧80/56mmHg。肺野にcoarse crackles〈水泡音〉を聴取する。緊急で行った左冠動脈造影写真(A)と拡張期と収縮期との左室造影写真(BC)とを示す。
適切な治療法はどれか。2つ選べ

正解
b, e
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。
A:左冠動脈造影である。左冠動脈主幹部に90% の狭窄

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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