問題番号 : 97A15

42歳の女性。呼吸困難を主訴に来院した。2日前から発熱と咽頭痛とを認め,さらに喘鳴と呼吸困難とが出現するようになった。10年前から慢性副鼻腔炎と鼻茸との加療を受けている。5年前から感冒時に同様の呼吸器症状が生じるようになり,2年前には感冒薬を服用し,呼吸困難が増強して,1週間ほど入院治療したことがある。意識は清明でチアノーゼは認めない。体温38.5℃。脈拍108/分,整。血圧156/90mmHg。全肺野に呼気時のwheezes〈笛様音〉を聴取する。
発作を増強する可能性の高いのはどれか。

正解
b
国試正答率
90%

Assessment
5年前から感冒時に出現する呼吸症状があることから,気管支

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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