問題番号 : 97A14

72歳の男性。発熱,咳および呼吸困難を主訴に来院し,当日入院した。来院12日前に温泉に行き,来院3日前から38℃ 台の発熱があり,呼吸困難,咳,淡い血痰および全身倦怠感を認めた。生来健康で,喫煙歴は20歳から1日20本。意識は清明。脈拍104/分,整。血圧110/70mmHg。血液所見:赤血球410万,Hb 14.5g/dL,Ht 43%,白血球14,200。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.43,PaO2 56Torr,PaCO2 33Torr。入院後,セフェム系抗菌薬による治療を開始したが症状が改善せず,精神症状も認められるようになった。このため入院4日目に人工呼吸器を装着し,エリスロマイシンの投与を始めた。入院7日目には肺野陰影の著明な改善を認めた。入院時の胸部エックス線写真(A)と入院4日目のポータブル胸部エックス線写真(B)とを示す。
考えられる疾患はどれか。

正解
b
国試正答率
90%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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