問題番号 : 96I46

42歳の男性。生来健康であった。屋根から転落し頭部,胸部および骨盤の多発外傷を受け,救急車で搬入された。身長170cm,体重68kg。緊急手術が行われ,約7,000mLの輸血を受けた。術後6日目の身体所見として,意識は傾眠。体温37.8℃。脈拍110/分,整。血圧116/76mmHg。人工呼吸中であり両側胸部にfine crackles〈捻髪音〉を聴取する。心雑音はない。動脈血ガス分析(FIO2 0.6):PaO2 82Torr,PaCO2 43Torr。このときの胸部エックス線写真を示す。
この患者の病態について正しいのはどれか。2つ選べ

正解
c, e
国試正答率
60%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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