問題番号 : 96I15

35歳の男性。石油ストーブに給油中引火し火災が発生し,顔面,頸部および両手に熱傷を負った。救急隊に救出され,30分後に救急車で来院した。意識は清明で会話も可能であるが,軽度の嗄声を認める。脈拍96/分,整。血圧126/88mmHg。毛髪は焦げ,鼻毛は焼失して鼻腔と口腔とにわずかにすすを認める。顔面と手背とに紅斑と水疱形成とを認める。
受傷早期に最も注意すべき病態はどれか。

正解
d
国試正答率
90%

Assessment
顔面と手背にⅡ度熱傷を負ったが,鼻毛の焼失を伴っているこ

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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